Kowa産業用レンズは定焦点、近赤外/短波赤外、ラインスキャン、Sマウント、テレセントリック、ズームなどのシリーズを揃えています。選定の鍵は4つの変数、すなわちセンサーサイズ・解像度・作動距離(または視野)・マウントです。本記事はこの4軸に沿って実践的な選定手順を示します。
1. まずセンサーサイズと解像度を決める
レンズのイメージサークルはカメラセンサー以上である必要があります。不足すると四隅に減光や解像度低下が生じます。一般的なサイズは1/2″、2/3″、1″、1.1″、4/3″で、大きいほどイメージサークルと解像度への要求が高まります。
- 2/3″以下:多くの定焦点・ズームシリーズで対応可能;
- 1″~1.1″:該当サイズ対応の定焦点シリーズを優先;
- 4/3″以上:大口径専用レンズを選び、周辺の解像低下を回避。
画素サイズも確認します。画素が小さいほど必要なレンズ解像度は高くなります(5MP、12MP、24MP など)。
2. 作動距離と視野から焦点距離・倍率を求める
定焦点レンズでは概ね「焦点距離 ≈ センサーサイズ × 作動距離 ÷ 視野幅」。テレセントリックは倍率(Mag)と作動距離(WD)で選びます。WD の制約が厳しい(狭い治具内など)場合は短 WD や特殊構造のレンズが必要です。
3. Kowa各シリーズの用途
| シリーズ | 特長 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 定焦点 | 高解像・低歪み | 汎用マシンビジョン・位置決め |
| テレセントリック | 低歪み・倍率安定 | 精密寸法測定 |
| ラインスキャン | 大口径・高解像 | ライン検査・印刷/フィルム |
| 近赤外/短波赤外 | NIR/SWIR 透過 | 農産物選別・透過検査 |
| Sマウント(M12) | 小型・低コスト | 小型カメラ・組込ビジョン |
| ズーム | 焦点距離可変 | 視野を頻繁に調整する用途 |
4. マウントと機械的クリアランスの確認
レンズマウント(C / CS / M12 など)がカメラと一致するか確認し、全長・外径が治具や光源と干渉しないか検証します。CSマウントカメラに Cマウントレンズを使う場合は5mmのスペーサーが必要です(C/CS/M12 マウントガイド参照)。
5. よくある質問
解像度とセンサーサイズを両立するには?
まずイメージサークル不足の型番を除外し、次に画素サイズと要求MTF/解像度で絞り、最後に作動距離で焦点距離を確定します。
大口径では必ずテレセントリックが必要ですか?
いいえ。寸法精度が重要な場合はテレセントリックを優先し、一般的な結像には大口径定焦点で十分です。
Kowaレンズのシリーズと型番を閲覧するか、オンライン選定ツールでパラメータ選別をご利用ください。